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2003年、長期出張を終えた私は、ANAのボーイング767型機に乗り込み、中国遼寧省は大連にある大連周水子国際空港を飛び立った。日本の航空機といういわば自国領内に入った安堵と、やっと帰れる喜びを胸に斜めになった景色を見やると、大連港とおぼしき岸壁に巨大な空母の姿があった。

「中国は空母を造ったのか?」

ビールとワインを飲み、機内食の日本蕎麦を平らげた後、着陸態勢に入るまでウトウトしてしまったため、空母を持たない国の港に存在した空母が夢か現実か私の記憶の中で曖昧になったが、夢ではなく大国が老獪な手段でウクライナから買った中古空母だった、というのを手島龍一氏著の本書「ブラック・スワン降臨 9.11 - 3.11インテリジェンス十年戦争」を読み約9年ぶりに知る事となった。

おそらく中国は、この旧ソ連製空母を改修して空母運用の研究及び訓練に使い、後には自国で空母を新造して運用するのだろう。漁船で他国の領海に入りこみ沿岸警備艇に体当たりするほどアグレッシブな彼らが空母を得たら、ますます存在感を強めるのは間違いない。

昨年、アメリカは10年に及ぶテロとの戦いの末に、ようやくオサマ・ビンラディンを捕えた。特殊部隊による作戦実行にあたり、オバマ大統領は何をしたのか。また、東日本大震災発生後、速くに駆けつけ仙台空港の滑走路を復旧させ、オペレーション・トモダチと名付けられた作戦により、被災地を支援した米軍の活動の裏にはいかなる動きがあったのか。
そのトモダチであるアメリカと、日本は今どのような関係にあるのか。

ロシアはプーチンの登場後、軟化姿勢は一変し不穏な動きを見せている。2島返還などという話が出たのはいつのことか。今ではかつて侵略して得た北方領土返還の気などさらさらない様子だ。

中国もアメリカもロシアも、内容は全く違えど国家元首が先頭に立ち国を守る姿勢は明確である。
しかし、残念ながら私は日本のトップからはそれを感じる事ができない。国を背負っている自覚は無いように見受けられる。失態を繰り広げ首相は次々に"責任を取らず"に辞めていく。責任を取り辞めさせていただく、という言葉はこの国のトップには存在しない。
記者会見にうつろな目で雁首揃える連中の表情を見ただけで、多くの国民が「ダメだこの会社任せては」と感じ取ったであろうに、政府はなぜ東電に重要な判断を任せたのか。一企業の営利目的のため、海水注入を躊躇し国民の命を危険にさらす、これをみすみす許すなんて正常な国家のやることではない。

今、私たちに出来ることは、過去の選挙で情けない連中を選んでしまった事を深く反省し、人を見る目を鍛え、真に将来を託せる新たな指導者を選ぶことだろうか。あるいは自身が目指すか。それらを皆が真剣に考えるべき限界点へと到達したのではないだろうか。

仮に優れた人材が政治を司るようになったとしても、腐敗した仕組みや制度、そしてそこに居座る異物を取り除き正すには時間がかかるだろう。私が生きている内には叶わないかもしれない。ただし、今始めないとこの国は確実に終わってしまう。レベルの低い現在の内政に篭った重箱の隅の突き合あう政治こそ、先を見据えて動いて来た他国との差ではないだろうか。

本書は単に同時多発テロや大震災の裏側を綴っただけではない。日本の未来を少しでも憂う者が、例えばそれまでたまにしか選挙に行かなかった者が毎回参加するようになるでも良い、小さくても価値ある一歩を踏み出すためのキッカケを作ってくれるモノとなるだろう。





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